「からころも 君が心のつらければ 
 たもとはかくぞ そぼちつつのみ」


劇中に度々登場するこの歌は、不器用な末摘花が源氏の君のために一生懸命に考えて贈った歌。

その意味は、

「光る君様のお心が冷たいので、私の袖はこうして涙に濡れてばかりです」

そんな歌に象徴されるように、末摘花は、逢瀬ののちに、源氏の君にすっかり忘れ去られてしまうのです。

「なつかしき 色ともなしになににこの      
末摘花を 袖にふりけむ」


(意訳: とくに心魅かれる色でもないのに、どうして、この末摘花(べに花)に袖を触れて(関係を持って)しまったのだろう)

と、光源氏が詠んだ歌により、彼女は「末摘花の姫君」と呼ばれるように・・・。


数々の美しく才能溢れる源氏物語の女性達の中で、

どこまでも不器用で頑固で、世間知らずな貧乏暮らしの姫君。

夢見るように、どんなことがあっても光源の君への愛を貫き続ける悲恋の姫と
振り回され続ける女房たちの、悲しいやら、おかしいやら、
笑ってはいけないけれどつい笑ってしまう人間喜劇。

千年の時を越え、500人の登場人物を描いた54巻の源氏物語の世界で、
異色の存在を放つ末摘花。

源氏物語の世界の片隅に咲く愛すべき物語を、時代を越えてお届けします。



夢の世界へどうぞご一緒に。


公演会場でお待ちしています!


    左近       ・・・・・     
安井 静江

    右近       ・・・・・   和泉 絢子

    宰相       ・・・・・     福田 恵



東区民文化センター舞台芸術促進事業にて
お届けする・・・
劇団テアトル広島 第34回公演

いずれの御おん時にか、光源氏なる すぐれて色好みの君あり
逢瀬の里にやんごとなき姫君のおはすを知りて、
つひに秋の一夜、枕を交わし給ひぬ

それなのに、源氏の君。
「なつかしき 色ともなしに 何にこの 末摘花を 袖にふりけむ」
の歌を最後に、姫のことなどすっかり忘れて、あっちの花、
こっちの花へ渡り歩いている様子。そのうちヤンチャが過ぎて、
明石へ流されてしまったとのうわさが・・・

源氏の君の愛情をひたすら信じて待ち続ける末摘花。

いつしか邸は傾き、庭は荒れ、かつて栄華を極めた
常陸宮家の召使いたちも、一人去り、二人去り・・・

雅やかな源氏物語の世界の片隅に咲く一輪の花。
一途な姫に振り回される女性たちの、泣いて、笑って、
せつなくもおかしな人間喜劇。

一途な恋の結末やいかに・・・?
本番をどうぞお楽しみに!


              作:榊原 政常
              演出:五十嵐美佐子

日時:  2018年11月24日(土) 18:30〜  
             11月25日(日) 13:30〜

            ※開場は開演の30分前になります

場所:  東区民文化センター・ホール

           (所在地: 広島市東区東蟹屋町10番31号
              

      ■広島駅から
        <徒歩>       JR新幹線口より約900m (10分)
                                    (線路沿いの道をお通りください)
        <市内バス>  広電バス(2号線) 
                                    東区役所前バス停下車正面

      ■紙屋町(県庁前)から
        <市内バス>  広島バス(27号線〜東浄団地中山線) 
                                                  愛宕町バス停下車(徒歩5分)
                広電バス(2号線〜府中方面)
                                                  東区役所前バス停下車正面
       

        ■紙屋町(バスセンター)から
        <市内バス>  広島バス(29号線〜上温品・小河原車庫 深川線)
                                                  愛宕町バス停下車(徒歩5分)

      ■駐車場  約40台
      ※ご来館には出来るだけ公共の交通機関をご利用ください。


チケット: 前売り 一般 2,000円 学生 1,500円
       当日  一般 2,300円 学生 1,800円

      (全席自由日時指定なし)

    (尚、左上のチラシ(またはこのウェブページ)を印刷したものを当日
    ご持参いただいた方は何名様でも前売り料金にて精算いたします)


      前売券発売: 広島市東区民文化センター
                エディオン広島本店PG
                劇団テアトル広島
      
キャスト

     


    少将      ・・・・・    瀬野 三枝子

    侍従       ・・・・・    松岡 由里子

    末摘花     ・・・・   (24日) 
木村 知恵美
                     (25日) 出口 ナオミ


    叔母       ・・・・・     岡田 直子